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メールマガジン
[Vol.097 2025年7月号]
Mail Magazine
海外出張記 -ベルギー編-
(ライフサイエンス研究開発C 元田)
クロマトグラフィー分野で最も権威のある国際学会であるHPLC2025が、ベルギーのブルージュで2025年6月15日〜6月19日の期間で開催されました。本学会では54もの国籍を跨いだ、分離分析化学のスペシャリストが一堂に介して白熱した議論が行われました。そこで、今月号では本学会への参加にあたり海外へ出張してきたことについて、記事にしたいと思います。
本学会では、クロマトグラフィーの基礎から新しい固定相や分離モードの提案、分野(メタボロミクスやオリゴ核酸など)別のクロマトグラフィー技術の紹介、AI活用などなど…幅広く、また227のオーラル、515のポスター発表数と、非常に多数の発表がなされていました。弊社からも、キラル/アキラルカラムを用いたオリゴ核酸分析について発表し、また弊社の海外グループ会社であるDaicel Chiral Technologies Europe SASからは展示ブースを出していました。弊社からの発表内容については、何度か本メールマガジンでもご紹介したことがあるかと思いますので、ご興味がありましたらお気軽にお問い合わせください!

学術的な内容はもちろんのこと、他にも参加者を飽きさせない企画が用意されており、学会参加者が自身のスマホから参加できるクロマトグラフィーに関するクイズ大会"Who Wants to Be a Chromatography Millionaire?"(正答率が高い上位3名には賞金が出ていました)や、参加者がクロマトグラフィーに対する熱い想いを動画や演劇で表現する催しがありました。クイズの中身は、”クロマトグラフィーでノーベル賞を受賞したのは誰か”や、”先割れしたピークの分離度を改善するためにはどのクロマトグラフィーパラメータを変化させる必要があるか”など、クロマトグラファーとして知っておくべき内容で、とても勉強になりました。学会を通して緊張と緩和が織り込まれた、非常に刺激的な時間を過ごすことができました!2年後には日本でも開催される(実行委員長:九州大学 浜瀬健司 教授)ようなので、ご興味がある方は是非参加してみてはいかがでしょうか。

ベルギーへのフライトは約14時間で、これには流石に体が悲鳴をあげましたね。更には、空港から鉄道への乗り換えがあり、どのように切符を買い、どの電車に乗れば良いのかYAHOO!先生で調べようと・・・、しかし、ヨーロッパではYAHOO! JAPANがサービスの提供を終了していたようで、ネットを頼らずに目的地まで向かうことになりました。しかし、これも意外とワクワクするもので海外に来た醍醐味であると感じました。やっとのことで到着すると、その素敵な風景に疲れは吹っ飛びました。まるで映画やアニメの世界のような、というのも今回訪れたブルージュはベルギー北部に位置しておりフランダース地方と呼ばれています。もうお分かりですね、フランダースの犬の舞台になった場所の近くだそうです。荘厳な教会、街に鐘を鳴り響かせる鐘楼、煉瓦造りの建物、石畳の道路…思う存分にヨーロッパを感じることができました。


写真:ブルージュの街並み
海岸に近いことからムール貝のグルメも有名なようで現地の方に食べ方を教わりました。中身の無い二枚貝をトングのように使って”パクり”、フォークで食べるよりも旨味が倍増した気がしました。他にもベルギービールや甘党の私には堪らないチョコワッフルを堪能することができました。


写真:ベルギーグルメ
(左:ムール貝の白ワイン蒸し、右:チョコワッフル)
今回参加したHPLCという学会は、アメリカとヨーロッパで開催地が交互に変わります。これからも弊社は日本国内のみならず海外からも新たな技術・情報を発信し続けていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます!