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メールマガジン
[Vol.074 2023年8月号]
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「キラルカラムって、指定の方向にしか流してはいけないの?」

本メルマガを読んでくださっているペンネーム“わるだくみ”さまから、“通液方向を反対にして使い続けたら…(順方向・逆方向の入れ替えを繰り返したら…)”とのリクエストを頂戴しました。 そういえば、そもそも通液方向って何?とか、通液方向に関するデータを見たことがないし、それにしては逆洗(逆方向に通液しての洗浄)を推奨しているし、ということで、今回、真面目に順・逆通液試験を試してみました。 わるだくみさま、良いマネへのネタのご提供と「気づき」を頂き、誠に有難うございました。

ねえ、キルラカラムくんどっちが入口なの・・・?

多くの分析、分取カラムには、 “⇒” の方向に移動相を流してください、との表示があります、たまに表示のないカラムもあります。 一般に充填剤に圧力をかけてカラム管に押し込むことで、最密な充填状態を形成させるのがカラム充填操作ですが、その際の“圧力の向きをそのまま通液方向(⇒)”にしていることが多いようです (当社調べ)。
ただし充填手法が上記と異なるカラムについては、どうなのか、よくわかりません…ので、今回良いマネは “一般的な方法で充填した多糖系キラルカラム”のお話しになります。

試験に使ったカラムは “CHIRALPAK® IG” (0.46 cm I.D. x 25 cmL)、うちのエースです。いつものように、試験前クロマトグラムとクロマトパラメーター[溶出時間(t)、分離係数(α)、分離度(R)、理論段数(N)、ピーク対称性(Ps)およびカラム圧力(Press. Drop)]をお示しします。

【HPLC条件】
 移動相:n-Hex/IPA = 90/10 <v/v>
 流速:1.0 mL/min.
 検出:UV254 nm 温度:25℃
 評価サンプル:trans-Stilbene Oxide (TSO)
 打込み: 1.0 mg/mL(移動相) x 10 μL

うむむ…ほとんど変わっていない。通液方向は関係がないのか? しかしこれだけではわからんっ ということで、 順方向逆方向の分析を交互に各10回(計20回)交互に繰り返してみました。クロマトをお示しします。

クロマトグラム

むむむ、クロマトグラムを見る限りは、変なことは起きていないですね。どうも健全なキラルカラムでは通液方向で大きな違いはないようでした。 “キラルカラムハンドブック”のトラブル対処法に、フィルター目詰まりによるカラム圧損・大(軽度な性能劣化)の場合には逆方向の通液洗浄で回復することがあります、との記載もあります。ふむふむ、だから逆洗してもOKなのですね、納得です。

でも、そうでない、こんな場合もあります。

カラム出口側のエンドを一旦、取り外して再度取り付けた “CHIRALPAK® IA-3” (0.46 cmI.D.×25 cmL)カラムを ①順方向②逆方向 で分析した結果です。全然、違いますね。

【HPLC条件】
 移動相:n-Hex/IPA = 90/10 <v/v>
 流速:1.0 mL/min.
 検出:UV230 nm 温度:25℃
 評価サンプル:trans-Stilbene Oxide (TSO)
 打込み: 0.44 mg/mL(移動相) x 10 μL

エンドを一旦取り外したことによって乱された充填剤面カラム入口側になったため、 右②の非常に崩れたピーク形状になったのでなはないか、と推測しています。

⇒ 健全なカラムでは通液方向を逆転させても大きな差異はみられませんでしたが、フィルターが目詰まり等を起こした際の逆方向通液洗浄(逆洗)以外は、基本的にはカラムタグに示された方向でお使いください。

【今回のおまけ】

多糖系キラルカラムの“都市伝説”をご存知ですか?
“多糖系キラルカラムの通液方向を逆にすると、各エナンチオマーの溶出順序が逆転できる”という噂がありますが、あれは真っ赤な嘘です。 皆さま、くれぐれも惑わされぬようにって… 一体誰がそんなこと信じるか、お前だけだろうって。 はい、その通りですが、それでも確認をしてみましたところ、当然、溶出順序は変わっていませんね。溶媒の無駄遣いでした、すみません…

Column:“CHIRALPAK® IG” (0.46 cm I.D. x 25 cmL)  
検出:UV254 nm(黒)、旋光検出器(赤)

【HPLC条件】
 移動相:n-Hex/IPA = 90/10 <v/v>
 流速:1.0 mL/min.
 検出:UV230 nm 温度:25℃
 評価サンプル:trans-Stilbene Oxide (TSO)
 打込み: 1.0 mg/mL(移動相) x 5 μL

★まとめ

ペンネーム“わるだくみ”さまから頂いたカラム通液方向に関するリクエストから、いろいろ試してみました。 健全なカラムであれば理論段数に差はないですが、基本的にはメーカー指定の通液方向でご使用ください。 もしもフィルターに異物が詰まり、圧損が高くなった場合には逆洗(逆方向通液)をして頂いても問題はありません。 但し、劣化の進んだカラムの場合は、通液方向で大きな違いがみられましたのでご注意ください
今回の気づき:人参や牛蒡などの野菜を栽培時の向きで冷蔵庫に入れおくと鮮度が長持ちするのと、カラム通液方向は同じようなものかもしれません(いやいや一体、どこが…)。 ちなみに“キラルカラム都市伝説”を流行らそうとしていたのは私でした、申し訳ございませんでした。

ファーマテックBU 
ライフサイエンス研究開発センター 
所長 大西(あ)
協力:同・研究開発センター 元田

海外駐在員のつぶやき
(Business development manager 岡林)

米国に駐在中の岡林です。今回は、米国での生活で、私が驚いたことを書きたいと思います。色々ありますが、今回はスーパーマーケットにフォーカスして述べさせていただきます。

私がよく利用するのは、ミシガンでは有名な「Meijer(マイヤー)」です。

ロゴが日本の有名な食品企業と似ていますが、全く関係はありません。名前は創業者の名前 Frederik Meijerが由来とのこと。

アメリカで有名なスーパーとして、Walmert, Target, Tradaer Joe’sなどいろいろありますが、価格、品質、品揃え、営業時間においてMeijerが非常に使いやすく重宝しています。さて、日本のスーパーマーケットと違い驚いたこととして、以下の5つを挙げたいと思います。

  • ① 野菜・果物・肉
  • ② パン、冷凍食品
  • ③ 飲料
  • ④ お菓子系の色使い
  • ⑤ 品揃えと店の広さ

① 野菜・果物・肉

アメリカ人は、おやつにリンゴを丸かじりする、というのは良く聞きますが、リンゴの種類と量が「さすが!」といったところです。(裏側もリンゴでした。)アメリカのホテルの朝食は必ずバナナも置いていますが、その量も半端ないですね。(ここでは一面のみ)

野菜も一つ一つ量が多すぎるので、まず在庫が切れることはなさそうですね。

② パン

日本でもパンは朝食として食べることが多く、加工パンの種類も豊富ですが、アメリカの場合、加工パンはそこまで多くなく、一方で食パンやロールパンの種類があり得ないくらい多いのが印象的です。下の写真はその一部を撮影しましたが、両面の棚全部がパンになります。

これくらいの量でも夜になると、品薄になるのが驚きです。冷凍食品については、日本のスーパーマーケット1店舗くらいのスペースが使われています。 写真はその1ラインを示していますが、これが4ラインもあり、私はまだ全部を見ることができていません。 日本の場合は、電子レンジで解凍することが多いと思いますが、アメリカの冷凍食品は、ガスオーブンを基本とした仕様になっているのも特徴ですね。 冷凍ピザの種類も豊富で美味しいので、私もたまに活用しています。

③ 飲料

数の多さは言わずもがなですが、1つ興味深いエリアがあったので紹介します。まず、1本単位で売られていないこと。1,2本だけほしくても1単位(30本程度)購入しないといけないのが、日本人の私としては使いづらいですね。

もう一つ面白かったので撮影しましたが、コーラ系飲料の種類と量がすさまじいです(笑)

④ お菓子系の色使い

コロナ前にアメリカに出張した時もホテルの朝食で感じていましたが、アメリカのお菓子類はカラフルなものが多く、私としては手を出しづらい色使いですね。

先日、私を含むバースデイパーティーが開かれましたが、その時もカラフルなケーキでした。(さすがに食べましたが)

⑤ 品揃えと店の広さ

他のスーパーマーケットも同じかどうかは細部まで見ていないのでわかりませんが、Targetやwalmartなど含めて、アメリカのスーパーマーケットは食材以外のものも多く扱っています。 小さな家具、家電、本、ゲーム・おもちゃ、ペット系、ガーデニング系、衣服、薬局など一通り揃っており、スーパーマーケットだけで生活のすべてが整ってしまうほどです。 店の通路を撮影しましたが、端が分からないほどです(笑)。

その他日本で見たことないものを撮影したので、最後に紹介します。

カートを運ぶカートです。日本ではここまで多く溜まることがないから必要ないのかもしれませんが、アメリカならではの規模の大きさを感じてしまいました。

以上、アメリカからのレポートでした。

9月8日ラグビーワールドカップ開幕
(ライフサイエンス製品営業部 菅沼)

9月8日ラグビーワールドカップ開幕

皆さまこんにちは、はじめまして。ライフサイエンス製品営業部の菅沼と申します。私は2023年4月より、東南アジア地区の営業を担当しております。ですので、日本のお客様と接する機会はあまり無いのですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、来る9月8日、ラグビーワールドカップフランス大会が開幕されます!皆さま、準備は万端でしょうか?私はもともとスポーツ音痴で、観戦も含めてスポーツと縁のない人生を送っておりました。 日本中が盛り上がっているサッカーワールドカップもWBCも全く観ておらず、もちろん2019年のラグビーワールドカップ日本大会も観ておりません。 しかし、たまたま2022年に開幕したジャパンラグビーリーグワンの準決勝をテレビで観て「あれ、これ面白いのでは・・・?」と思うままに決勝戦のチケットを購入し、初めて国立競技場で試合を観戦して以来、ラグビー観戦にすっかりはまっております。

私にとってのラグビーの魅力は以下です。

① 格闘技の要素と、走る要素のバランスがよい

私は、スポーツ観戦は苦手でしたが、格闘技観戦は好きでした。なので、タックルが決まったり、タックルしたのに全く倒れない選手を見たりすると大喜びです。 スクラムも「汗でびちょびちょだし、臭そうだし、ぜったいやりたくない!」と思いながらにやにや見ています。一方で、華麗なステップでタックルを交わし、あっという間にトライが決まるのを見るのもスカッとします。 この両方のバランスが、見ていて飽きさせません。

② 野性的な選手

選手はみんな首が太く、暑苦しいビジュアルをしております。たとえ素材としてハイレベルな選手であっても、筋肉のつき方のせいでイケメンになりきれません。そんなところがとても良い! ちなみに日本代表の私の推しメンは長田智希選手です。2023年にリーグワンでデビューした超大型新人で、タックルを受けてもなかなか倒れないし、足も非常に早く、トライをたくさん決めます。

ラグビーワールドカップに向けて、我が家のTVは32インチの液晶テレビから49インチの有機ELにバージョンアップされました。全試合を観戦できるようJ-Sportsも契約しています。あとは、9~10月は 仕事をセーブして 夜なべするだけです!
みなさんぜひラグビーワールドカップ観戦しましょう!「リーーーーーチ!!」と一緒に叫びましょう!日本以外のチームだと、今年はフィジーが面白そうですよ!

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